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歯周病

【歯周病とは】

口腔内の細菌が食品に含まれる糖質と結びついて増殖し、歯の表面に黄白色を帯びた粘着性物質を形成します。これがプラーク(歯垢)です。
歯周病は、プラーク内の歯周病細菌が主要な原因で、歯周組織に発生する疾患の総称で、歯だけではなく歯の周りに付着して、歯肉に炎症を起こし、進行すると歯を支えている歯槽骨や歯根膜を溶かしてしまう病気です。
歯周病のうち、歯肉に限局した炎症が起こるものを歯肉炎、他の歯周組織にまで炎症が起こっているものを歯周炎といいます。

歯周組織は大きく分けると以下の4つの組織からなっています。
(歯肉)
歯肉は、歯槽骨を覆っている粘膜のことで、健康な歯肉はピンク色をしていますが、歯周病になると赤色、赤紫色に変化します。

(歯根膜)
歯根膜は、主にコラーゲンから出来ていて、歯と歯槽骨を結ぶ組織(繊維)で、歯に伝わった力を歯槽骨に直接伝わらないようなクッションの働きをしていますが、歯周病になると歯周病菌に溶かされてしまうため、歯が露出してきます。

(セメント質)
セメント質は、歯根部分の象牙質の外層を覆っている薄い組織で、歯根膜繊維が付着しており、歯を歯槽骨内に保持するのに重要な役割を果たしています。

(歯槽骨)
歯槽骨は、歯肉に覆われている骨のことで、歯はこの歯槽骨に埋まっており、歯周病になると歯根膜同様、この骨が溶かされてしまうため、歯がグラグラしたり、歯が徐々に露出してきます。


歯はこれらの組織に守られていますが、歯周病になってしまうと、歯槽骨、歯根膜が溶かされて歯を支えることが出来なくなり、その結果、歯周病の末期では歯が抜け落ちてしまうのです。 日本人が歯を失う最も大きな原因で、日本人の成人の約80%が歯周病に罹っていると言われています。

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【歯周ポケット】

歯周病ポケット歯周ポケット(歯肉溝)は、歯と歯肉の間にある溝のことで、健康な歯肉の場合、歯と歯肉がしっかりと付着しているので歯周ポケットの深さはとても浅いのですが、歯周病になり歯肉が腫れると、歯肉が歯から離れていくため歯周ポケットが深くなるのが大きな特徴です。
歯周ポケットにはプラークが溜まりやすくなり、溜まったプラークは歯磨きだけでは取り除くことが難しくなるため、プラークによって慢性的に歯肉が腫れ、歯周病がより進行してしまうという悪循環となってしまいます。

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【歯肉炎と歯周炎】

(歯肉炎)

歯周病の初期段階では、まず歯周病菌の付着によって歯肉が赤く腫れて炎症を起こしたり、歯磨きで出血したりする歯肉炎になります。
歯肉炎の段階では歯周組織のうち、セメント質、歯根膜、歯槽骨は溶かされていないので歯がグラグラするなどの症状はありませんが、歯肉炎の初期段階では、まずは歯と歯の間の歯肉が炎症を起こすため自覚症状がないことが多く、仮に自覚症状があっても放っておくと歯周炎へと発展してしまいますので、歯肉炎の段階で早めに治療を行う事がとても大切です。

(歯周炎)

歯肉が腫れたり、出血するだけでなく、歯周病菌によって歯周組織のうちの歯根膜・歯槽骨などが溶かされたために歯がグラグラしたり、歯が長く見えるようになる症状が歯周炎です。 歯周炎になると歯周組織が侵され溶かされてしまいますので、歯周ポケットが深くなり、歯周病菌(プラーク)がより溜まりやすくなり、普通の歯磨きではプラークを取り除く事が出来なくなるため、歯科医院で治療を行わなければ症状が悪化し、末期には歯が抜けてしまいますので注意が必要です。

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【歯周病の症状】

歯周病が怖いところは初期の段階ではほとんど自覚症状がないことで、以下のような自覚症状が出たときには既に歯周病がかなり進行している事が多く、歯周病に限らずどのような病気でも症状が進行すればするほど治療が難しく、長期間の治療が必要になり、歯周病の末期では、抜歯しなければならないこともあるのです。
また、歯周病だと自覚して歯科医院を受診される方は少なく、虫歯や口の中の異常を感じて受診したところ歯周病と診断される方が多いので、以下の中1つでも当てはまる症状がある方は早めに歯科医院に行きましょう。

  • 歯肉の色が赤色、赤紫色になった。
  • 口の中がネバネバする。
  • 歯石が付いている。
  • 口臭が強くなった。
  • 歯の隙間によく物が挟まる。
  • 歯肉から出血する。
  • 時々歯肉が腫れて痛む。
  • 歯が動く感じがする。

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【歯周病の予防】

歯周病の基本的な原因はプラークです。ですから、歯周病の予防、治療と共に基本となるプラークコントロールをしっかり行いましょう。  口の中の状態は一人一人違うので、その人に適したブラッシングも一人一人異なります。ですから、正しいブラッシング法を行うためには、歯科医師や歯科衛生士による指導を受けると良いでしょう。

歯磨き粉に含まれる発泡剤や香料によって歯磨きが不充分でも、なんとなくキレイになった気分になってしまいやすいので注意しましょう。客観的にプラークが除去出来ているかを確認するために、歯垢染色液を使うとさらに効果的です。

寝ている間は唾液の分泌量が少なくなり、細菌が繁殖しやすくなりますので、少なくとも夜寝る前の歯ブラシは時間を掛けて丁寧に行いましょう。
そして、最低でも半年に1度は歯科医院で定期健診を受け、正しい歯磨きが出来ているかや歯石は付着していないかなどをチェックしてもらう事が非常に大切です。

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【全身疾患との関連】

全身疾患との関連 最近の研究では、歯周病が全身疾患と非常に関係があることが分かってきました。
歯周病を引き起こす細菌によって、肺炎や心内膜炎など、妊産婦では早産、低体重児の危険性があります。また、糖尿病との関係が非常に深く、糖尿病の人の多くに重度の歯周病が多いことも分かってきました。
この様に、歯周病は様々な全身疾患に影響を与える危険因子となり、発生する確率が高くなると言われています。

歯周病は生活習慣によって再発しやすい病気です。規則正しい生活、正しいブラッシングを行い、歯周病の原因となるプラークや歯石を除去しましょう。また、定期的な検診を受ける事によって歯周病を予防、早期発見・早期治療することが出来ます。

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