2010年8月 のアーカイブ

ワン・ステップのボンディング材を再考する

2010年8月18日 水曜日

先日、若手の先生(勤務医)と接着(特にボンディング材)ついて話をしました。

ちなみに、その先生は、CRが脱離するケースが続いたので、ツー・ステップのボンディング材を使用したいが、勤務しているクリニックは、ワン・ステップのボンディング材を使用しているとのことでした。

 

私の考えでは、ワン・ステップのボンディング材だからと言って、臨床上で接着力が大きく劣るということではなく、しっかりポイントさえ抑えていれば良い材料だと思います。

「ワン・ステップのボンディング材は、ちょっと不安・・・」という先生方を含め、ワン・ステップのボンディング材の見逃しがちな「勘どころ」を再考したいと思います。

 

 

まず、よく振ってから出すこと。 例えるなら、サラダのドレッシングと一緒ですね。

そして、沢山の製品がありますが、ほとんどのワン・ステップのボンディング材は、まず使用直前に採取する(エタノール、アセトン含有)ことが大切。

よくアシスタントが便宜的に早い段階でボンディング材を用意していることがありますが、溶媒が飛んでしまうので、直前までは出しません。(Easy Bondは、あまり神経質になる必要はありません)

また、スポンジやマイクロブラシに直接ボンディング材を付けるのもNGです。

 

次に、窩洞全体に充分 脱灰作用が続くように、新しい液を何度も塗り足すように塗布します。

ボンディング材はコスト高ですが、ここはケチらずたっぷり塗布することがポイント(アセトンの揮発とエッチング力の低下の問題)

十分かつムラのない処理が決め手です。

 

エアブローの方法ですが、製品によってはエアブローに比較的影響されにくいものもありますが、接着成分を歯面に固着するのとボンディング材内の水を飛散、乾燥させるため、「中圧 → 強圧」でしっかりと時間を掛けてエアブローします。

しっかり水分を飛ばし切るかが重要なポイントです。

 

もちろん防湿が大切なのは言うまでもありませんし、各社製品の特徴を踏まえたポイントはありますが、ワン・ステップのボンディング材でもツー・ステップのボンディング材であっても、エッチング・プライミング・ボンディングのスリー・ステップであるのが接着の基本。

これを忘れてはいけません。