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舌痛症

2010年7月19日 月曜日

舌痛症は、器質的変化が認められないにもかかわらず、舌に慢性的な痛みやしびれ感を生じる病気であると定義されます。

その原因は、十分に解明されておらず、女性に多く、痛みの部位が移動するのが特徴です。

 

痛みの原因は、往々にして精神的な問題だと思われてしまう傾向にありますが、近年では、心因性の痛みよりも神経痛に近い、痛みを伝達し知覚する神経回路の障害が生じているためと考えられています。

ですから、睡眠不足や疲労などの体調不良によって神経回路に障害が出るため、症状に波があると考えると説明がつきます。

 

最も有効な治療法は、抗うつ薬を中心とした薬物療法で、不眠や不安を伴う場合は、睡眠導入薬や抗不安薬を併用。 抗うつ薬による治療で、1ヶ月後に約7割程度の患者で症状の改善が認められたデータもあります。

 

患者が歯科を受診した際、「舌が痛い」と言うだけでいきなり舌痛症を疑わず、まず舌に接触する修復物の不適合や破損、歯石付着など局所的な原因の除去を行うとともに、カンジダ症を疑います。

この場合、両側の口角炎が認められる場合が多いです。

舌痛症の場合には、心身症専門の医療機関への紹介と連携が必要となります。