2010年3月 のアーカイブ

溝状舌

2010年3月30日 火曜日

舌背表面に多数の溝が認められます。

873_0017236(溝状舌)

 

溝の深さ、位置、形の程度は色々で、一定したものはありません。

自覚症状はなく、味覚も障害されないことが多いですが、溝の内部や底部は不潔になりやすく炎症が起こることがあり、この場合には味覚に障害が出ることもあります。

また、地図状舌と併発することがあります。

 

原因は不明ですが、全身疾患の局所症状による後天性のものなどや先天的なものとがあり、通常、治療の必要はありませんが、炎症を起こしている場合は、うがい薬や口腔用軟膏の使用、ブラシによる清掃によって多くの場合改善します。

黒毛舌

2010年3月2日 火曜日

自己診断で、舌ガンのような重大な異常ではないかと疑って来院される方もいます。

2798_0006236(黒毛舌)

 

黒毛舌(こくもうぜつ)は、糸状乳頭の角化が著しく亢進して、舌背に毛が生えているように見える状態で、多くの場合黒色ないしは褐色です。

黒色になる原因は、カンジダが増えた結果として硫黄化合物が生じ、これと血液中のヘモグロビンが結びついて黒色になると考えられています。

たばこや飲食物などによって着色を見ることもありますが、この原因の多くは、抗菌剤やステロイド剤の長期投与により、口腔細菌叢に変化(菌交代現象)が起こるためで、抗菌剤の使用をやめれば自然と消失することが多いものです。

口腔カンジダ症が原因の場合は、抗真菌剤の軟膏を処方します。

舌ブラシは使用してもかまいませんが、あまり強くやり過ぎないように注意が必要です。

 

この方の場合、たばこ(ヘビースモーカー)と服用している薬剤の2つが原因でした。