骨髄液から歯ぐきを再生し治療 広島大で成功
歯ぐきが細菌によって溶ける歯周病について、患者の骨髄液から骨や筋肉のもととなる幹細胞を採取して培養後に患部へ移植し、歯ぐきを再生させることに広島大の研究グループが成功した。患者対象の臨床研究で、移植をした患部は4〜8ミリほど歯ぐきが回復した。細胞培養技術の向上などで再生効果を高め、3年以内に厚生労働省へ先進医療を申請、実用化を目指す(毎日新聞)
歯を失う原因の第1位の歯周病。
約10年前の歯科疾患実態調査によれば、日本において全人口の7割以上に何らかの歯周病の症状があるそうです(怖)
こういった研究や臨床試験は、治療の裾野を広げるためにとても重要です。
もちろん将来実現して一般の歯科医院にまで広めることを考え、その方法についてもきっと検討を重ねていることでしょう。
しかし、一般の歯科医院にまでそれが広く応用されるまでには、様々な問題をクリアしなければなりません。
現在、再生治療として一般の歯科医院では、メンブレン(人工膜)やエムドゲイン(エナメルマトリックスタンパク)などといった材料を使って再生を目指す治療が一般的なところだと思います。
しかし、骨髄液から幹細胞を採取して培養することは、一般の歯科医院でそう簡単に出来るモンじゃありませんし、金額的な面も結構な費用負担が掛かるでしょうから、財政難の社会保障制度では間違いなくムリ。
・・・広く応用されるような実用化は、まだまだ難しいといったところでしょう。
様々な研究が進み、治療の現状も日進月歩ですが、そんな小難しい話よりも予防の方がもっと大事。
けれども、日本人の多くが羅患している歯周病に、この研究が近い将来実現すれば、本当に素晴らしいことだと思います