先日、右側が腫れて痛いので診て欲しいと来院された患者様。
レントゲン写真を撮ってみると・・・
右下の7番は、既に片方の根っこがなく、6番と7番遠心根を支台にしたブリッジです。
6番には、かなり太い金属の土台が入っており、近心根が真っ二つに破折し、根の周りには手前の5番の根の先まで覆っているほどの大きい膿の袋ができて骨吸収が進んでいました。
そして、もう片方の支台である7番の遠心根も、歯周病が進みグラグラです。
反対側の6番、7番も既に欠損しており、その手前の4番、5番のクラウンには、入れ歯の金具が掛かる部分が形成されていましたが、義歯は入っていません。
・・・この患者様の口腔内を歯科医師が診れば、だいたいその経緯に見当がつきます。
左下の6番、7番が、何らかの理由でやむなく抜歯。
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前医は、とりあえず奥歯の嚙み合わせを確保するために義歯を入れたが、義歯の金具が見えて見た目も悪いし、違和感が強くて患者様も長い間義歯を装着しなかった。
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無理して残した右側のブリッジだったが、義歯を装着しない方が楽だし、ブリッジの方ばかりで噛んでいた。
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過重負担のため、6番が歯根破折。
・・・きっとこんなカンジでしょう。
残念ですが、本日抜歯となりました。
そして、この先 両側の奥歯がないまま放置すれば、今度は前歯にそのしわ寄せがきっと来るでしょう。
「歯は1本でなく、口腔という組織の一部です!」
歯もこれくらい支えられたらいいんですが・・・