今夜は、武蔵野日赤で今年最後の摂食嚥下のお勉強です。
今日の講師は、歯科医師ではなく、看護師長と摂食嚥下認定看護師のお二人。
内容は、武蔵野日赤 全入院患者さんの口腔内調査結果の報告という、とても面白いテーマです。
日赤のような大きな病院で、しかも入院している患者さん全員を対象に、一人一人の口腔内の汚染度を調べていくコトはそう容易な事じゃありませんし、ましてや看護師さん達が日頃の激務に追われながら、大きな病院組織を動かすための段取りや手配、調査実施のための前準備や実施など、どれほどの苦労であったかは、そのテーマからも容易に想像が付きます。
さて、その調査結果でありますが、入院している患者さんの平均年齢が60歳以上でありまして、呼吸器内科やがんの治療で放射線治療を受けている患者さんが多く入院している科で、口腔内の汚染度が高かったという結果。
慢性呼吸不全だったり、放射線治療で口腔内が爛れていたりすれば、当然 口腔内は不潔になりやすいし、口腔内の汚染度が高いところに嚥下機能が低下している高齢者、さらには、経口摂取が困難なために低栄養とあれば、誤嚥性肺炎が発症しやすいのもすんなり理解出来ます。
と なれば、口腔ケアがどれほど大事であるかということは、火を見るよりも明らかでありまして、入院している患者さんの口腔ケアに積極的に介入することが、結果 誤嚥性肺炎の予防にも繋がるワケです。
で、今回の調査結果から、今後どのようなコトが必要なのか自ずと見えてはきているものの、まだ始まったばかりの今回の取り組み。
日赤でも今後どのように形にしていくかを模索しているところにあるようで、問題点や改善点もまだまだ沢山あれば、病診連携をするウチ等 地域の開業医も、患者さんの退院後、どのように形でその役割を担っていくのか考えるところであります。