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2010. 2.24  ドライマウス

2010年2月24日 水曜日

夜は、新田先生、山本先生に診療室をお任せして、歯科医師会の学術講習会に行ってきました。

鶴見大学歯学部 口腔病理学講座 教授の斉藤一郎先生をお招きし、「ドライマウス(口腔乾燥症)」のお勉強です

 

「ドライマウス」はその名の通り、唾液の分泌量が低下して口の中が渇いてしまう状態のことを言います。

口の中が渇いてしまうと口の中がネバつき、進行すると、会話がしづらい、虫歯や歯周病が悪化し口臭がする、舌が痛くなってしまうなどの症状があります。

さらに、カンジダ菌(カビの一種)も増えやすくなり、舌や粘膜が赤くなったり萎縮してしまうと言われています。

眼に現れる乾燥症の「ドライアイ」と同様注目され、ドライマウス人口が徐々に増加しています。

 

原因としては、加齢に伴う筋力の低下や萎縮による唾液の分泌量の低下。

現代の食生活で、あまり噛まずに飲み込める様なファーストフードや食事が主流となり、唾液の分泌が従来よりも少なくなった。

ストレスや緊張により交感神経が刺激され、唾液の分泌が抑制されて口が渇くメンタルな部分での影響。

鼻炎などの鼻疾患による口呼吸。

放射線治療による副作用や抗うつ剤、睡眠薬などの薬による副作用。

糖尿病やシェーグレン症候群などの病気によるもの  ・・・など様々

  

で、ココを読んでいる歯科関係者には「釈迦に説法」ですが、唾液には様々な重要な作用があります。

 【消化作用】   唾液中の酵素によりデンプンを分解

 【自浄作用】   歯に付着したプラークや食渣を洗い流す

 【抗菌作用】   病原微生物に作用し抵抗する

 【保護作用】   唾液ムチンによる粘膜の保護

 【緩衝作用】   phを一定に保つ

 【溶解作用】   食物中の味質を溶解し味覚に関与

 

唾液が少なくなることで、QOL(クオリティー・オブ・ライフ:生活の質)は著しく低下します。

これからますます加速する高齢化社会に向けて、健康維持を目的とした医療のあり方について、医科・歯科を問わず、さらに理解を深めていく必要があると思います。