今朝、情報番組「とくダネ!」を観ていました。
ご覧になった方や既に週刊誌等でご存じの方もいらっしゃると思いますが、ある歯科医院でインプラント治療の際、一度使用した後に、抜けるなどして回収したインプラントを別の患者に再使用している疑いがあるというニュース。
・・・開いた口が塞がりません。
以前あった某高級料亭の残り物再利用と同じ。 モラルの問題です。
そもそもインプラントを埋入して骨と結合したら、再使用出来るインプラントなど存在しません。
報道によれば使い回しが1本2本の話ではないようで、私の知る限り現在販売されているインプラントシステムでは、よほどの問題が無い限り早期脱落するといったトラブルはそうは頻発しませんし、そんなに何本も抜けてしまうような手術自体信じがたいです。
なんだかんだで結局、背後にあるのはコストの問題でしょうが、いくらなんでもあり得ない話です。
同じ歯科医師として、声を大にして言いたい。
利益を追求するより知識や技術を追求すべき!!
マトモな歯科医師なら皆同じ意見だと思います。
インプラントの第一人者である小宮山彌太郎先生がVTRでご出演されていましたが、以前受けた小宮山先生のご講演のなかで、医療従事者としての心のあり方として、こんな話をされていました。
「患者様を自分の家族と思え」
「自分に使って欲しい物を患者様に選んでいるか」
「患者様に喜んで頂ける治療結果が得られるように日々努力しろ」
全く持ってその通り!!
大体にウチ等の仕事って、患者様に喜んで頂いてナンボでしょ。
どこで歯車が狂ってしまったのか分かりませんが、この先生だってきっと、大学を卒業して晴れて歯科医師になった頃は、患者様に喜んで貰いたいと思って仕事していたことでしょう(そうあって欲しいと願います)
インプラントはもちろん万能ではありませんが、しっかりした診断と手術を行えば非常に有効な歯科治療の選択肢の1つであることに間違いありません。
キチンとしている医院なら、インプラントの生産履歴をを遡って確認出来るトレーサビリティーを管理しているので皆様ご安心下さい。
しかしながら、こういう輩がいることでインプラント治療そのものが信頼を失われたり、業界全体が不信感を持たれてしまうことはとても残念でなりません(涙)
そんなやるせない思いでいっぱいの一日でした。